■ 姜尚中氏、行定勲氏講演を聴き「うつくしいひと」を見ての感想
1.熊本県立劇場館長・姜 尚中氏の講演
@震災をどう受け止めるか
明治22年熊本で大きな地震が起きているが、だれも記憶にとどめていない。東日本大震災
では臭いというものが伝わらなかったし、1mの差が生死を分けた。今回の熊本地震は
東日本大震災とは違っていて家屋が宙返りしてその場でめちゃくちゃになっている。そして、
家屋が凶器となった。
今回の熊本地震のような大震災は記憶に留めておかなければならない。しかし、人はそういう
嫌なことは忘れてしまいたいのでいつの間にか忘れてしまう。だが、嫌なことでも目を向けたく
ないことでも伝承していくべきではないか。
2.映画監督・行定 勲氏の講演
@映画は80%キャスティング(配役)で決まる。姜さんを主役にした当初は失敗したかと思った。
姜さんは人の話を聞かないし、頑固である。しかし、だんだんと姜さんの個性を活かすことで
いいものになっていった。だからといって姜さんは(自分が俳優に向いているなんて)勘違い
されないように。
A自分の故郷は南阿蘇で父親が住んでいる。
Bうつくしいひとを熊本地震の復興のために上映したいと動いたら、全国140箇所で上映できる
ことになり、募金活動も行って行きたい。映画にそのような力があることを認識できてうれ
しく
思っている。
Cうつくしいひとの続編も考えている。姜さんは出てこないで良さんが主役の予定である。これに 対して姜
さんはナレーターでもいいから出して欲しいと言われた。
D来年、熊本で新しいイベントをやって熊本を元気にしたいと考えている。
3.行定 勲監督作品「うつくしいひと」を見て
@済々黌の関係者(卒業生、在校生ほか)にとっては、昭和44年卒の姜さんだけでなく済々黌
の生徒がちょこちょこでてくるので親しみが持てる。
A映画は40分と短いので、分かりづらいところもあるかもしれない。
B震災にあう前の(昨年10月の)熊本城、江津湖、阿蘇などが出てくるのでうつくしいひとが
住んでいるうつくしい熊本を見ることができた。
C初恋の人をいつまでもマドンナとして記憶に留めている人にとっては、切ない思いが胸を打つ
かもしれません。